ビジネスモデルを作成した後の疑問…
このサイトで「ビジネスモデル作成サービス」をご提供していますが、このサービスを受けた方からこんなご質問をいただきました。
「ビジネスモデル」を作成し、集客するイメージもできましたが、実際に「ビジネスモデル」を作成した後は、何から取り組めばいいのでしょうか?
というご質問でした。
ビジネスモデルは描いて終わりではない
結論から言うと、『ビジネスモデルの検証』に取り組むことです。
それは、最初に作ったビジネスモデルは、ほとんどが役に立たないからです。
なぜ役に立たないかというと、最初に作成したビジネスモデルの大部分は、テストされていない仮説なので、その仮説によって組み立てられたビジネスモデルを信じて、ビジネスをスタートさせたとしても、後で立ちいかなくなってしまいます。
ビジネスモデルを作成して、事業計画書を作り、すぐに製品を作り、営業展開する準備をするのではなく、まずは最初に作成したビジネスモデルを、見込み顧客になる可能性のある人たち(顧客セグメント)に話して意見を聞くことが大切です。
その意見を通して、仮説を軌道修正しながら、正しい課題、正しい解決策、正しい顧客となる市場を見つけていくことをしていくのです。
なぜ、米国ネット食品雑貨店ナンバー1企業が倒産したのか?
ここで、ビジネスモデルの仮説を検証せずにスタートアップし、大損害を出して倒産してしまった事例をご紹介します。
時は2001年、世の中はドットコムビジネスが全盛期の米国でのお話です。
オンライン食品雑貨宅配サービスの米ウェブバン社は、既存の食品雑貨店の不便な点をインターネットで解消できるビジネスモデルを作り、民間投資家から即座に何億ドルもの資金を集めることに成功しました。
当時はこの種のインターネットを活用して、既存の不便さを解消するドットコムビジネスが、もてはやされ、ドットコムビジネスに対して楽観的な投資が横行していました。
そして、蓋を開けてみれば、当時の消費者はまだネットでの購入には慣れておらず、既存の食品雑貨店のレジに列んで購入していました。
その結果、利用客の89%から好意的な評価を受け、すべてのネット食品雑貨店の中で1位にランクされながらも、利用客の伸び悩みによって、18ヶ月間という短い期間で倒産してしまったのです。
この事例からもわかるように、とても素晴らしいビジネスモデルができても、それを顧客になる見込みがある人の意見を取り入れてないビジネスモデルは役に立たないのです。
ビジネスモデルの検証には3つのステップがある
「ビジネスモデルを作成した後に、何から取り組めばいいのか?」に話を戻しましょう。
答えは「ビジネスモデルの検証」とお伝えしましたが、その検証には3つのステップがあります。
ステップ1:課題の理解
・何を解決するのか?(課題)
・競合は誰なのか?(既存の代替品)
・誰が困っているのか?(顧客セグメント)
ステップ2:解決策の決定
・誰が困っているのか?(アーリアダプタ)※アーリーアダプタとは…商品やサービスの提供初期採用者
・課題をどう解決するか?(ソリューション)
・どのような価格モデルにする?(収益の流れ)
ステップ3:収益化の検証
・製品の魅力は?(独自の価値提案)
・顧客を集められるか?(チャネル)
・価格は適正化?(収益の流れ)
まとめ
この3つのステップを通して、得られた検証結果をビジネスモデルへ反映して、軌道修正を重ね、正しい課題、正しい解決策、正しい顧客となる市場を見つけることに取り組むことで、そのビジネスを成功させる確率が高くなります。